バーチャルオフィスの住所で開業届を出せるのか、不安に感じていませんか。
結論から言うと、バーチャルオフィスの住所で開業届の提出は問題なくできます。
ただし、納税地の選び方や住所の記入方法にはいくつか注意点があります。
この記事では、バーチャルオフィスで開業届を出す際の住所の書き方を記入例つきで解説します。
納税地を自宅にするかバーチャルオフィスにするかの判断基準や、届出後の確定申告の扱いまで網羅しています。
これから開業届を出す個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
バーチャルオフィスの住所で開業届は出せる
バーチャルオフィスの住所を使って開業届を提出することは、法律上まったく問題ありません。
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、事業を開始したことを税務署に届け出る書類です。
届出書の「納税地」欄には「住所地」「居所地」「事業所等」の3つから選択できます。
バーチャルオフィスは「事業所等」に該当するため、その住所を納税地として記入可能です。
実際に多くの個人事業主やフリーランスが、バーチャルオフィスの住所で開業届を提出しています。
自宅住所を公開したくない方や、都心一等地の住所でビジネスを始めたい方にとって、バーチャルオフィスは有力な選択肢です。
開業届に必要な情報
開業届の提出に必要な情報は以下のとおりです。
- 納税地(バーチャルオフィスの住所 または 自宅住所)
- 氏名・生年月日・マイナンバー
- 職業・屋号(任意)
- 届出の区分(開業)
- 事業の概要
- 開業日
届出書は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
e-Taxを使えばオンラインでの提出も可能です。
どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。
開業届の住所の書き方(記入例つき)
開業届でもっとも迷いやすいのが、住所の記入方法です。
ここでは、バーチャルオフィスの住所を使う場合の具体的な書き方を解説します。
納税地にバーチャルオフィスの住所を書く場合
バーチャルオフィスを納税地にする場合は、以下のように記入します。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 納税地 | 「事業所等」にチェック → バーチャルオフィスの住所を記入 |
| 上記以外の住所地・事業所等 | 自宅住所を記入 |
たとえば、東京都港区のバーチャルオフィスを利用している場合は次のようになります。
記入例
- 納税地:「事業所等」にチェック → 東京都港区南青山2丁目◯-◯ ◯◯ビル3F(バーチャルオフィスの住所)
- 上記以外の住所地・事業所等:神奈川県横浜市◯◯区◯◯町1-2-3(自宅住所)
この書き方であれば、税務署からの郵便物はバーチャルオフィスに届きます。
自宅住所も記載しておくことで、自宅の家賃や光熱費を経費として計上しやすくなります。
納税地に自宅住所を書く場合
自宅を納税地にしつつ、バーチャルオフィスも併記する方法もあります。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 納税地 | 「住所地」にチェック → 自宅住所を記入 |
| 上記以外の住所地・事業所等 | バーチャルオフィスの住所を記入 |
こちらの場合、確定申告書の提出先は自宅住所を管轄する税務署になります。
バーチャルオフィスの利用料も事業経費として問題なく計上できます。
どちらを納税地にすべきか
「自宅」と「バーチャルオフィス」のどちらを納税地にするかは、以下の判断基準で選ぶと迷いません。
| 判断基準 | おすすめの納税地 |
|---|---|
| 自宅で実際に作業する時間が長い | 自宅住所(家賃按分しやすい) |
| 税務署からの郵便物を自宅で受け取りたい | 自宅住所 |
| 名刺・請求書にバーチャルオフィスの住所を使いたい | バーチャルオフィス |
| 引っ越しが多く住所変更の手間を減らしたい | バーチャルオフィス |
どちらを選んでも、もう一方の住所を「上記以外」欄に書いておけば両方の経費を計上できます。
迷ったら自宅住所を納税地にしておくのが無難です。
自宅を納税地にした場合でも、バーチャルオフィスの利用料は経費(地代家賃 または 支払手数料)として認められます。
バーチャルオフィスで開業届を出す手順
バーチャルオフィスの住所を使って開業届を出す流れは、大きく4ステップです。
ステップ1:バーチャルオフィスを契約する
まず、開業届に記載する住所を確定させるために、バーチャルオフィスの契約を済ませます。
開業届の提出期限は「事業を開始した日から1か月以内」です。
契約が完了してから開業届を提出するとスムーズに進みます。
バーチャルオフィスを選ぶ際は、料金・登記対応・郵便転送などの比較表を参考にしてください。
ステップ2:開業届を作成する
国税庁のウェブサイトから「個人事業の開業・廃業等届出書」をダウンロードします。
納税地の欄には、前述の記入例を参考にバーチャルオフィスの住所(または自宅住所)を記入してください。
屋号は空欄でも提出できますが、事業用の銀行口座を開設する際には屋号があると手続きがスムーズです。
ステップ3:税務署に提出する
作成した開業届を、納税地を管轄する税務署に提出します。
提出方法は3つあります。
- 税務署の窓口に持参
- 郵送で提出
- e-Tax(オンライン提出)
バーチャルオフィスの住所を納税地にした場合は、その住所を管轄する税務署が提出先です。
管轄の税務署は、国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」ページで検索できます。
ステップ4:控えを保管する
窓口や郵送で提出した場合は、必ず控えに受付印をもらいましょう。
この控えは、銀行口座の開設や補助金の申請時に求められることがあります。
e-Taxで提出した場合は、受信通知を保管しておけば同等の証明になります。
どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。
納税地をバーチャルオフィスにするメリットと注意点
メリット
自宅住所を公開しなくて済む
開業届に記載した納税地は、確定申告書にも使われます。
バーチャルオフィスを納税地にすれば、自宅住所が取引先や顧客に知られるリスクを減らせます。
特に、名刺や請求書に住所を記載する必要がある業種では大きなメリットです。
都心の住所で信頼感を得られる
港区・渋谷区・中央区などの一等地住所を月額数百円から使えるのがバーチャルオフィスの強みです。
取引先や金融機関からの信頼度にも影響するため、事業の印象を左右する要素になります。
引っ越ししても届出変更が不要
自宅を納税地にすると、引っ越しのたびに「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出が必要です。
バーチャルオフィスを納税地にしておけば、自宅が変わっても届出の手間がかかりません。
(令和5年1月1日以降、異動届出書の提出は不要になりましたが、確定申告書への住所記載は必要です。)
注意点
税務署からの郵便物がバーチャルオフィスに届く
納税地をバーチャルオフィスにすると、税務署からの通知もその住所に届きます。
郵便物の転送サービスが含まれているバーチャルオフィスを選ぶことが重要です。
転送頻度(週1回・月1回など)や転送料金はサービスによって異なるため、契約前に確認してください。
同一住所に複数の事業者が登録されている
バーチャルオフィスの住所は、他の利用者と共有する形になります。
これ自体は法的に問題ありませんが、銀行口座の開設審査で確認事項が増える場合があります。
口座開設のしやすさを重視するなら、法人口座の開設に対応したバーチャルオフィスを選ぶと安心です。
業種によっては利用できない場合がある
士業(弁護士・税理士・行政書士など)や人材派遣業など、事務所の実態が求められる業種ではバーチャルオフィスを事業所として認められないケースがあります。
許認可が必要な業種で開業する場合は、事前に管轄の行政機関に確認しましょう。
開業届の提出後に知っておくべきこと
確定申告の住所はどうなるか
開業届で届け出た納税地が、そのまま確定申告の住所になります。
バーチャルオフィスを納税地にした場合は、確定申告書にもバーチャルオフィスの住所を記載します。
提出先の税務署も、バーチャルオフィスの住所を管轄する税務署です。
バーチャルオフィスの利用料は経費になるか
バーチャルオフィスの月額利用料は、事業の経費として全額計上できます。
勘定科目は「地代家賃」または「支払手数料」が一般的です。
郵便転送や電話転送などのオプション料金も、事業に使うものであれば経費として認められます。
バーチャルオフィスを変更したときの届出
バーチャルオフィスを解約して別のサービスに乗り換えた場合、納税地が変わります。
令和5年1月1日以降は異動届出書の提出は不要になりましたが、確定申告書には新しい住所を記載してください。
自宅を納税地にしている場合は、バーチャルオフィスを変更しても届出に影響はありません。
開業届で使えるバーチャルオフィスの選び方
開業届の提出先として使うバーチャルオフィスを選ぶ際に、確認しておきたいポイントは3つです。
法人登記にも対応しているか
今は個人事業主として開業届を出す場合でも、将来的に法人化する可能性があるなら法人登記に対応したバーチャルオフィスを選んでおくのが得策です。
法人登記に対応していれば、法人化の際に住所変更の手間が省けます。
郵便物の転送サービスがあるか
税務署からの通知や取引先からの書類を受け取るために、郵便物の転送サービスは必須です。
転送頻度(週1回・即日転送など)や追加料金の有無を確認しましょう。
料金と契約期間
バーチャルオフィスの月額料金は、住所利用のみで月額500円台から、登記対応で月額1,000円前後が相場です。
最低契約期間や初期費用もサービスによって異なるため、総コストで比較することをおすすめします。
主要なバーチャルオフィスの料金や対応サービスは、バーチャルオフィスの比較ランキングでまとめています。
よくある質問
まとめ
バーチャルオフィスの住所で開業届を出すことは、法律上まったく問題ありません。
納税地は「自宅住所」と「バーチャルオフィスの住所」のどちらでも選べます。
自宅で実際に作業する方は自宅を納税地にしておくと、家賃の按分がしやすくなります。
名刺や請求書に自宅住所を載せたくない方は、バーチャルオフィスを納税地にするとプライバシーを守れます。
どちらの場合でも、もう一方の住所を「上記以外の住所地・事業所等」に記載しておけば、両方の経費を計上できます。
開業届を出す前にバーチャルオフィスを選ぶ際は、法人登記対応・郵便転送・料金の3点を基準にしてください。
主要なバーチャルオフィスの料金やサービス内容は、以下の比較ランキングでまとめています。
どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。