バーチャルオフィスで起業する方法 登記・届出から口座開設まで全手順を解説

バーチャルオフィスを使って起業できるのか、気になっていませんか。

結論から言うと、バーチャルオフィスの住所で法人登記も個人事業の開業届も問題なく出せます。

実際に、一人会社やフリーランスの多くがバーチャルオフィスを活用して起業しています。

この記事では、バーチャルオフィスで起業する具体的な手順を5ステップで解説します。

メリット・注意点から、費用の目安、失敗しないバーチャルオフィスの選び方まで網羅しています。

これから起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

バーチャルオフィスで起業はできる

バーチャルオフィスの住所を使って起業することは、法律上まったく問題ありません。

法人設立(株式会社・合同会社)の登記も、個人事業主としての開業届も、バーチャルオフィスの住所で受理されます。

会社法には「本店所在地にオフィスの実体が必要」という規定はなく、登記上の住所としてバーチャルオフィスを使うことに制限はありません。

個人事業主の開業届でも、納税地欄で「事業所等」を選択すればバーチャルオフィスの住所を記載できます。

法人設立と個人事業主で手続きが異なる

バーチャルオフィスで起業する場合、法人設立と個人事業主では手続きの流れが変わります。

項目法人設立(株式会社・合同会社)個人事業主
必要な届出法務局へ法人登記税務署へ開業届
住所の扱い本店所在地として登記納税地(事業所等)として届出
費用目安(登記・届出)株式会社:約25万円 / 合同会社:約6万円0円(届出は無料)
VOに求める機能法人登記対応が必須住所利用のみでも可

法人設立の場合は、法人登記に対応したバーチャルオフィスを選ぶ必要があります。

個人事業主であれば、住所利用のみのプランでも起業の手続きは進められます。

バーチャルオフィスで起業する5つの手順

バーチャルオフィスを使った起業は、以下の5ステップで進めます。

ステップ1:起業形態を決める

最初に、法人(株式会社・合同会社)として設立するか、個人事業主として開業するかを決めます。

年間の売上が800〜1,000万円を超える見込みがあるなら、税制面で法人化が有利になるケースが多いです。

まずは小さく始めたい場合は、初期費用ゼロの個人事業主からスタートし、軌道に乗ってから法人化する方法もあります。

ステップ2:バーチャルオフィスを契約する

起業形態が決まったら、届出に記載する住所を確定させるためにバーチャルオフィスを契約します。

法人設立の場合は、必ず「法人登記対応」のプランを選んでください。

登記に対応していないプランで契約すると、後から変更の手間が発生します。

主要なバーチャルオフィスの料金や対応サービスは、バーチャルオフィスの比較ランキングでまとめています。

ステップ3:法人登記または開業届を提出する

バーチャルオフィスの契約が完了したら、届出の手続きに進みます。

法人設立の場合:

定款を作成・認証し、法務局で法人登記を行います。

登記申請書の「本店」欄にバーチャルオフィスの住所を記載します。

登記の詳しい手順はバーチャルオフィスで法人登記する方法で解説しています。

個人事業主の場合:

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を税務署に提出します。

納税地欄で「事業所等」を選択し、バーチャルオフィスの住所を記入してください。

開業届の書き方や納税地の選び方はバーチャルオフィスで開業届を出す方法で詳しく解説しています。

ステップ4:銀行口座を開設する

届出が完了したら、事業用の銀行口座を開設します。

バーチャルオフィスの住所でも口座開設は可能ですが、金融機関によっては審査で追加の確認を求められることがあります。

審査をスムーズに進めるためのコツはバーチャルオフィスで銀行口座を開設する方法にまとめています。

ネット銀行(GMOあおぞらネット銀行・住信SBIネット銀行など)は、バーチャルオフィスの住所でも比較的審査が通りやすい傾向にあります。

ステップ5:名刺・Webサイト・請求書に住所を使う

登記(届出)と口座開設が完了すれば、バーチャルオフィスの住所をビジネスの各所で使えます。

  • 名刺への住所記載
  • Webサイトの会社概要・特定商取引法の表示
  • 請求書・契約書の発行元住所
  • Googleビジネスプロフィールへの登録(受付可能な拠点の場合)

都心一等地の住所を使うことで、取引先や顧客からの信頼感を得やすくなります。

どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。

起業にバーチャルオフィスを使う5つのメリット

初期費用を大幅に抑えられる

賃貸オフィスを借りると、敷金・礼金・保証金だけで数十万〜数百万円の初期投資が必要です。

バーチャルオフィスなら、入会金5,000〜10,000円+月額数百円〜数千円で事業用の住所が手に入ります。

起業時の限られた資金を、オフィスではなく事業の成長に集中投下できます。

自宅住所を公開しなくて済む

法人登記した住所は登記簿を通じて誰でも閲覧できます。

個人事業主でも、名刺やWebサイトに住所を載せる場面は多くあります。

バーチャルオフィスを使えば、プライバシーを守りながら事業を運営できます。

特に自宅で作業するフリーランスや、女性の起業家にとってはセキュリティ面で安心です。

都心の一等地住所で信頼感を得られる

港区・渋谷区・中央区といった都心の住所を月額数百円から使えます。

起業直後は実績がないため、住所の印象が取引先の第一印象を左右することがあります。

「自宅マンション名が本店所在地」よりも、ビジネス街のビル名が入った住所のほうが信頼につながりやすいです。

契約から即日〜数日で住所が使える

賃貸オフィスは物件探しから入居まで1〜2か月かかることもあります。

バーチャルオフィスなら、審査完了後すぐに住所を利用開始できるサービスがほとんどです。

起業のスピードを落とさずに手続きを進められます。

全国どこに住んでいても都心で起業できる

バーチャルオフィスは来店不要で契約できるサービスが大半です。

地方在住でも東京・大阪の住所で法人登記できるため、ビジネスの拠点を柔軟に選べます。

リモートワークが中心の事業であれば、物理的なオフィスは不要です。

起業でバーチャルオフィスを使うときの注意点

許認可が必要な業種は使えない場合がある

事務所の実態が求められる業種では、バーチャルオフィスの住所では許認可を取得できません。

具体的には、以下のような業種が該当します。

  • 士業(弁護士・税理士・行政書士・社労士など)
  • 人材派遣業
  • 古物商(一部の都道府県で不可)
  • 建設業
  • 不動産業

これらの業種で起業する場合は、レンタルオフィスや実体のある事務所を用意する必要があります。

許認可が不要な業種(IT・Web・コンサル・EC・ライターなど)であれば、バーチャルオフィスで問題なく起業できます。

他の利用者と住所が重複する

バーチャルオフィスの住所は、複数の利用者が同じ住所を使う仕組みです。

住所で検索すると、同じビル名で他の会社が表示されることがあります。

これ自体は違法ではありませんが、取引先が住所を検索した際に「バーチャルオフィスだ」と気づかれる可能性はあります。

近年はバーチャルオフィスの認知度が上がり、問題視されるケースは減っています。

融資審査で不利になる可能性がある

日本政策金融公庫の創業融資では、事業の実態確認として事務所の訪問が行われることがあります。

バーチャルオフィスの場合、実際の作業場所(自宅など)を説明する必要が出てきます。

ただし、バーチャルオフィスを理由に融資が否決されるわけではありません。

事業計画書や自己資金の内容が審査の中心であり、住所だけで判断されることは少ないです。

郵便物の受け取りにタイムラグがある

バーチャルオフィスに届いた郵便物は、転送サービスを通じて自宅に届きます。

転送頻度はサービスによって週1回、月2回など異なり、届くまでに数日〜1週間のタイムラグが発生します。

税務署からの通知や契約書など、重要な書類の受け取りが遅れないよう、即日転送や来店受取に対応したサービスを選ぶと安心です。

どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。

起業で失敗しないバーチャルオフィスの選び方

バーチャルオフィスを選ぶ際は、以下の4つのポイントを確認してください。

法人登記に対応しているか

法人として起業する場合、法人登記対応は必須条件です。

今は個人事業主でも、将来的に法人化する可能性があるなら登記対応のプランを選んでおくと住所変更の手間が省けます。

法人登記できるバーチャルオフィスの比較は法人登記対応のバーチャルオフィス比較にまとめています。

郵便転送サービスの内容

起業後は税務署や取引先からの郵便物が届きます。

転送頻度(週1回・即日転送など)、転送料金、来店受取の可否を契約前に確認してください。

郵便転送の仕組みや各社の対応状況はバーチャルオフィスの郵便物の転送と受け取り方で解説しています。

月額料金と初期費用の総コスト

バーチャルオフィスの料金は、サービスの内容によって大きく異なります。

プラン内容月額の目安
住所利用のみ月額500〜1,000円
住所+法人登記月額1,000〜2,000円
住所+登記+郵便転送月額2,000〜5,000円
住所+登記+転送+電話転送月額5,000〜10,000円

月額料金が安くても、初期費用(入会金・保証金)が高い場合があります。

年間の総コストで比較してください。

各社の料金やサービス内容はバーチャルオフィスの比較ランキングで一覧できます。

運営会社の実績と安定性

バーチャルオフィスの運営会社が倒産すると、登記した住所が使えなくなります。

住所変更の登記には登録免許税(3万円)がかかるため、運営歴の長いサービスを選ぶのが安全です。

運営年数、拠点数、利用者数などを事前に確認しておきましょう。

バーチャルオフィスで起業する費用の目安

バーチャルオフィスを使って起業する場合の費用を、起業形態別にまとめます。

法人設立(株式会社)の場合

費用項目金額の目安
定款認証(公証人手数料)3〜5万円
登録免許税15万円
バーチャルオフィス(初期費用)5,000〜10,000円
バーチャルオフィス(月額・登記対応)1,000〜2,000円/月
法人印鑑セット5,000〜15,000円
合計(初年度)約22〜28万円

電子定款を利用すれば、印紙代4万円を節約できます。

法人設立(合同会社)の場合

費用項目金額の目安
登録免許税6万円
バーチャルオフィス(初期費用)5,000〜10,000円
バーチャルオフィス(月額・登記対応)1,000〜2,000円/月
法人印鑑セット5,000〜15,000円
合計(初年度)約9〜11万円

合同会社は定款認証が不要なため、株式会社よりも大幅に費用を抑えられます。

費用を最小限にして起業したい場合は、合同会社+バーチャルオフィスの組み合わせが最もコストパフォーマンスが高いです。

個人事業主の場合

費用項目金額の目安
開業届の提出0円
バーチャルオフィス(初期費用)5,000〜10,000円
バーチャルオフィス(月額・住所のみ)500〜1,000円/月
合計(初年度)約1〜2万円

個人事業主なら、初年度1〜2万円で都心の住所を使って起業できます。

個人事業主のバーチャルオフィス活用については個人事業主のバーチャルオフィスの選び方で詳しく解説しています。

バーチャルオフィスでの起業が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 自宅やカフェで作業するためオフィスが不要な人
  • 初期費用を抑えて小さく始めたい人
  • 自宅住所を公開したくない人
  • 一人会社やフリーランスで来客対応が不要な人
  • EC・Web・IT・コンサルなど場所に依存しない業種の人

向いていない人

  • 事務所の実態が求められる許認可業種(士業・人材派遣・建設業など)
  • 顧客の来店が頻繁にある業種(店舗型ビジネス)
  • 従業員を雇用して常駐させる必要がある事業

許認可が不要で、オンライン中心の事業であれば、バーチャルオフィスは最適な選択肢です。

よくある質問

通ります。バーチャルオフィスの審査は本人確認が中心で、事業実績や売上を求められることはほとんどありません。法人設立前(準備段階)でも個人名義で契約できるサービスが多く、契約後に法人名義へ変更する流れが一般的です。
バーチャルオフィスの住所でも、日本政策金融公庫の創業融資や自治体の制度融資に申し込めます。融資審査では事業計画書と自己資金が重視されるため、住所がバーチャルオフィスであることだけを理由に否決されるケースは多くありません。ただし、事務所の実態確認で自宅を訪問される場合があるため、事業内容の説明ができるよう準備しておきましょう。
同じバーチャルオフィスで法人登記に対応していれば、住所を変えずに法人化できます。契約プランの変更(住所利用のみ→登記対応)が必要な場合もあるため、将来の法人化を見据えて最初から登記対応プランを選んでおくとスムーズです。
受付や来店対応が可能な拠点を持つバーチャルオフィスであれば登録できるケースがあります。ただし、Googleのガイドラインでは「顧客が訪問できる実際の拠点」が求められるため、住所貸しのみのサービスでは登録が認められない場合が多いです。
月額利用料は「支払手数料」または「地代家賃」で計上するのが一般的です。オプション料金(郵便転送・電話転送など)も事業に使うものであれば経費として認められます。詳しくはバーチャルオフィスの勘定科目と仕訳の方法をご覧ください。
主なデメリットは、許認可業種で使えないこと、他社と住所が重複すること、郵便物にタイムラグがあることの3点です。ただし、許認可が不要な業種であればこれらは大きな障壁にはなりません。デメリットへの対処法は本記事の「注意点」セクションで解説しています。

まとめ

バーチャルオフィスを使えば、法人設立も個人事業主としての開業も問題なく進められます。

起業の手順は「形態を決める → バーチャルオフィスを契約 → 登記・届出 → 口座開設 → 住所活用」の5ステップです。

初期費用は、個人事業主なら1〜2万円、合同会社でも約10万円に抑えられます。

バーチャルオフィスを選ぶ際は、法人登記対応、郵便転送、運営会社の安定性を軸に比較してください。

主要なバーチャルオフィスの料金やサービス内容は、以下の比較ランキングで確認できます。

どのバーチャルオフィスが自分に合うか迷ったら、主要14社を料金・法人登記・銀行口座サポートで並べた比較表が便利です。