バーチャルオフィスは行政書士の事務所に使えない?判断基準と活用できる3つの場面

「バーチャルオフィスの住所で行政書士の事務所を開けますか?」

結論から伝えます。住所だけを借りるバーチャルオフィスは、行政書士の事務所として原則使えません。

行政書士会の規定では、事務所に「独立性」と「専有性」を求めています。住所のみを提供するバーチャルオフィスは、この要件を満たしません。

ただし、同じ「バーチャルオフィス」を名乗るサービスでも、個室レンタルオフィス機能を備えているものは別の話です。また、住所だけを借りるサービスでも、行政書士が合法的に使える場面は3つあります。

この記事では、行政書士の事務所要件とバーチャルオフィスの可否判断、活用できる具体的な場面を解説します。

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行政書士の「事務所」に必要な3つの要件

行政書士法第8条は「行政書士は、その業務を行う事務所を設けなければならない」と定めています。

法律の条文に具体的な設備要件は書かれていませんが、各都道府県の行政書士会が会則・細則で補っています。多くの行政書士会が次の3点を求めています。

① 専有性(専用スペースがあること)

事務所は行政書士業務のための専用スペースである必要があります。

他の業者や個人と共用するスペースは、原則として専有性を満たさないと判断されます。

② 独立性(業務の実態があること)

事務所は業務の実態を持つ、独立した場所でなければなりません。

行政書士会の職員が実地確認に来ることがあります。訪問時に業務の実態を示せる必要があります。

③ 表札の設置と来客対応

事務所の入口に、行政書士名や事務所名を表示する表札を掲げる義務があります。

依頼者が来所できる構造であることも、多くの行政書士会が求めています。

バーチャルオフィスが行政書士の事務所に使えない3つの理由

住所だけを借りるバーチャルオフィスは、先述の要件を満たしません。理由を3点に整理します。

① 専有スペースが存在しない

バーチャルオフィスは住所・電話・郵便転送をセットにしたサービスです。

利用者に割り当てられる物理的なスペースはなく、行政書士業務を行う専有の場所にはなりません。

② 表札が掲げられない

行政書士の表札は事務所の入口に設置します。

バーチャルオフィスは住所を貸しているだけのため、入口に個人名の表札を立てることはできません。

③ 行政書士会の実地確認に対応できない

開業時や年次調査で、行政書士会の職員が事務所を確認しに来ることがあります。

バーチャルオフィスの住所を訪問しても業務の実態がないため、確認が成立しません。

例外:個室付きのVOサービスなら可能性がある

「バーチャルオフィス」を名乗るサービスのなかには、専用個室のレンタルオフィスプランを同時に提供しているものがあります。

個室を専用契約して鍵がかかり、表札を設置できる状態であれば、行政書士会への登録が認められる可能性があります。

ただし、最終的な判断は所属する都道府県の行政書士会が行います。必ず事前に確認してください。

コワーキングスペース付きのプランは共有スペースへの滞在にすぎず、専有性の要件を満たさないケースがほとんどです。

主要VOサービスの個室対応状況(自社調査)

主要バーチャルオフィス14社について、個室レンタルオフィスプランの有無を調査した結果です。

サービス個室プランの有無行政書士事務所として使える可能性
レゾナンスあり(個室レンタルオフィスプランを用意)△ 行政書士会に要事前確認
リージャスあり(専用個室オフィスが主力)△ 行政書士会に要事前確認
GMOオフィスサポートなし(住所・電話のみ)× 不可
karigoコワーキングのみ× 不可(専有性なし)
DMM バーチャルオフィスなし(住所・電話のみ)× 不可
NAWABARIなし(住所・電話のみ)× 不可

「△」のサービスも、個室プランの契約形態・使用権限・表札設置の可否によって結果が変わります。行政書士会への事前確認は省略できません。

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行政書士がバーチャルオフィスを合法的に活用できる3つの場面

事務所には使えなくても、バーチャルオフィスを正しく使える場面は3つあります。

① 法人化する際の登記住所

行政書士が法人(行政書士法人)を設立する場合、法人の本店登記住所にバーチャルオフィスを使うケースがあります。

この場合、行政書士会への事務所登録には別の物理住所が必要です。ただし、法人の郵便物受取や登記住所としての活用は問題ありません。

② 開業準備中の郵便・電話の受取先

開業前に自宅住所を公開したくない場合、バーチャルオフィスを郵便物の受取先として使えます。

行政書士会に登録する「事務所住所」はあくまで物理拠点にする必要があるため、バーチャルオフィスはあくまで補助的な用途にとどめます。

③ 事務所とは別の名刺・ウェブサイト用の連絡先

行政書士事務所のウェブサイトや名刺に掲載する「連絡先」として、バーチャルオフィスの住所・電話番号を使う方法もあります。

ただし、行政書士会への登録住所(公式の事務所住所)と異なる住所を名刺に記載すると混乱を招くことがあります。使い分けには注意が必要です。

よくある質問

自宅を行政書士の事務所にできますか?

可能です。多くの行政書士が自宅兼事務所で開業します。

居住スペースと事務スペースを明確に区別し、来客対応ができる構造であることが求められます。行政書士会ごとに判断基準が異なるため、事前確認が必要です。

レンタルオフィスは行政書士の事務所にできますか?

専有の個室を契約するレンタルオフィスであれば、認められるケースが多いです。

コワーキングスペースの共有デスクタイプは専有性がなく、難しいのが実情です。行政書士会への事前確認を強くすすめます。

税理士や司法書士も同じ判断になりますか?

各士業によって根拠法と所属団体の規定が異なります。

税理士法・司法書士法でもそれぞれ「事務所」の要件が定められています。バーチャルオフィスの扱いは、各士業の所管団体に個別に確認してください。

まとめ

バーチャルオフィスと行政書士の事務所要件の関係をまとめます。

  • 住所のみのバーチャルオフィスは行政書士の事務所には使えない(専有性・独立性の要件を満たさない)
  • 個室レンタルオフィス機能を持つサービスは例外的に可能性がある(行政書士会に要確認)
  • 法人登記住所・郵便受取など「事務所以外の用途」では活用できる
  • 最終的な判断は所属する都道府県の行政書士会に問い合わせること

バーチャルオフィスを開業準備に検討している方は、料金・機能・個室の有無で主要14社を比較した一覧もあわせて参照してください。

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